カテゴリー「ロシアの映画。」の8件の記事

ネフスキー公にただ単に萌える回(注意:アホです)

  最近、良くも悪くもだらけてきました。ふと映画、「アレクサンドル・ネフスキー」を見直した。そして、まだこの映画の真の魅力について語っていないことに気がついた。

 アレクサンドル・ネフスキー(DVD) ◆22%OFF!

  

 

 

  十三世紀のロシアに実在した名将アレクサンドル・ネフスキーが、西方から侵入したドイツ騎士団を撃退した”氷上の戦い”を、映画界の巨匠中の巨匠、エイゼンシュテイン監督が”国威高揚映画”として撮った1938年のトーキー作品。第二次大戦中のことゆえ、製作当時リアルに脅威となっていたナチスをドイツ騎士団になぞらえているのがありありと分かるという。ところが、その翌年に締結された独ソ不可侵条約に気を使って、あまり大々的に公開はされなかったみたいです。

  だが、そういう真面目な話は今回は置いておく(え) ドイツ騎士団を率いる司教が「ベルセルク」に出演しそーなくらい極悪なツラ構えだとか、ナウ○カのトルメキア軍の鎧ってここの騎士団がモデル?!だとか、ストーリーが単調だとか他にもツッコミどころはあるのだが。今回はただ一点のみを訴えたい。すなわち。

  アレクサンドル・ネフスキー公がカワユすぎて、国威ではない、別の何かが高揚されてしまうのだ……!(゚∀゚)www

 とはいえ、さすがに1938年もの。ジャケも暗い?し、明るく楽しィ映画ではない(と、誰もが最初は思うだろう)

 映画の冒頭。やたら長い無音状態の中、全く読めないキリル文字が延々と映ったかと思いきや、中世ロシアの荒廃ぶりが重々しく語られるに及び、すでに観ているこっちが降伏したくなってくること請け合いだが、もう少し我慢だ! ここが一番辛いんだ!!

 やっとのことで、モンゴル人官吏にイジメられている漁民の場面に変わる。たぶん、ここらで主人公の武将、アレクサンドル・ネフスキーとやらが助けに出てくるんだろう、いったいどんなソ連製国威高揚野郎なんだコンチクショウ……!と身構えたその時。

 「おーい、何の騒ぎだ。魚が逃げてしまう!」

 やたら大柄な漁民の一人が、悠然というよりのんびりと近づいてくる。それが……そう。

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 オープニングのドン引き感からはとうてい想像できない、端整キャラのこのお方、アレクサンドル様(ニコライ・チェルカーソフ)なのである♪♪

 だが、なぜ伝説の勇将ともあろう人物が漁民と同じ平服で網漁に精を出しているのか??

 かつて、公は北方の都市ノヴゴロドをスウェーデン軍の脅威から救った。ところが、富裕層の論理ばかりがまかり通っているノヴゴロド市民は、勝つだけ勝つと、もういいよとばかりに公を解雇したのである。つまり、雇われ将軍扱い。だが、プスコフがドイツ騎士団に落とされるに及び、ノヴゴロド市民は再び、ネフスキー公の武勲を頼りに丁重な使者を送ることにする。

 ちなみにこの合間、合間にDVDジャケ写の下の三人による恋の鞘当みたいなものが展開する(ネフスキー公はこれら色恋沙汰にまっったく絡んでこないのでw省略。)

 その頃、ネフスキー公はロシアに迫るドイツ騎士団の危機を感じ、水辺の小屋の隅でうつぶせになって不貞寝をしていた。ロシアの民はもう自分を必要としていないのか……と、そこへ、お小姓が告げる。

 「ノヴゴロドのお方が来ました!」 「よし、礼服の用意を!」 →そしてお着替え

 立ち上がった農民兵を引き連れ(この辺りが多分、国威高揚)、心機一転、ノヴゴロド入りを果たすネフスキー公。ところが、一部の富裕層は公を快く思っていない。戦なんてごめんだ、あんたなんてお呼びじゃないんだ!とのたまう市民に対して、

 「私は好かれにきたのではない、戦いに来たのだ」

 ただでも転ばないネフスキー公happy02 決して、ツン○○とかじゃない(どっちでもいい)

 そもそものこの映画の見所、ロシア軍vsドイツ騎士団のド迫力戦闘シーン中にも萌えポイントは多数あるのだが、きりがないのでこの辺りは泣く泣く省略……そして。

 ロシア軍大勝利のあと、プスコフに凱旋してくるネフスキー公……もう、ここからがっっ!! 筆舌に尽くしがたくタダ漏れ萌えオーラを照射するネフスキー公が眩し過ぎて、思い出しつつ書いてる私の筆も滑りっぱなしなのだが、兜を脱いだあとの馬上からのハイタッチ、子供抱きかかえ(いかにもソビエト風)、馬から下りて小走りなど、随所随所の所作から目が離せぬ……!(落ち着け)

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↑混ぜて~ハイタッチ混ぜて~~

 そして、演説。このあたりからプロパガンダっぽくしていこうという努力?は見えるのだが……

 「厄災あれば全ロシアは立つ 逃げ隠れする者には容赦なく 罰を下す 私が死んでも 私の子孫が受け継ぐだろう(超・笑顔)」

 そして、祝宴。そこらじゅうで戦争を乗り越えた幸せカップルが誕生しているのをにこやかに見守るのみのネフスキー公。主賓なのになんであんた、微妙に居場所がない感じに一人浮いてるんだっっ(爆) 

 いやあ……70年前の映画でこれほどまでに萌えさせてくれるとは、恐るべしエイゼンシュテイン監督ですよ(違) 氷原でのなし崩し的戦闘シーンもド迫力ですごいから、みんな、観てね~ \(^o^)/ 

 

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私的上半期ベスト1を謹呈!

WOLFHOUND ウルフハウンド~天空の門と魔法の鍵~

販売元:ビデオメーカー
発売日:2008/04/04
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 これはーーーなんという秀作!!!

 パッケージの後ろ一行目に”「ライラの冒険」x「ベオウルフ 呪われし勇者」”などという、売り文句なのか逆効果なのか謎な煽りが書いてあったり(汗)、おまけにアレなサブタイトル付きだったりで、期待せざること山のごとし(意味不明)で何気なくレンタルしてきたのですが、あまりの面白さに思わずSOKUGAI(即買い)してしまった……(遠い目)

  ”闇が支配する時代

  冷たくそびえ立つ天空の門  呪われた石の女神

  光を失った街に導かれし 閃光の剣と グレイドック族の勇者”

  (同じくパッケージの後ろより引用)

  なんというか、全編に漂う古代スラヴの雰囲気がたまらなく良い………! ロシア映画なのでロシア語なのですが(日本語吹き替えもアリ) 例えるならアントニオ・バンデラス主演映画「13ウォーリアーズ」(あれも個人的に好きな映画…)の後半、霧深い北欧のあの雰囲気がずっと続いている感じですよ。

 普段、見慣れない顔立ちをした俳優さんたちも、セットも、陰鬱なCGも美しい。

 そして何より、ニヒルながらも弱きを助ける主人公と、ヒロインの正統派ぶりが素晴らしい!! (詳しく言うとネタバレになってしまうが)

 監督はニコライ・レベデフとかいう人らしいが、まったく知らない……。しかしこのストイックかつ激しい戦闘描写は只者ではないよ。

 それにしても、大いに疑問なことが……同じ最近のロシア映画でも「ナイトウォッチ」は一般公開されたのに、なんでこっちはやらないんだよ……! こっちのほうが100倍くらい一般ウケするし、感動するよ!(断言(笑))

 ……おや、しかし視覚効果は「ナイトウォッチ」の人と同じみたいだ。

 何はともあれ、こういうものが日本でもDVD販売されて、本当にありがたい……! 買えとまでは言わないので、ぜひレンタル屋で見かけたら借りてあげてください(笑) みんなで回転率をあげて、もっとこういう変り種映画を日本に輸入させるのだ……!(野望)

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ロシアのすごい映画⑤

 さて、このだらだらと世の中の流れに関係なく進めてきたロシア映画祭りもそろそろいったん打ち止めにしたいと思います。最後は、ちょいとひねって英国製ドラマから。

アークエンジェル アークエンジェル

販売元:エスピーオー
発売日:2006/12/08

 うおおおぉデス顔のダニクレ(ダニエル・クレイグ)燃えるぜぇぇーーーbond!!!……と思った方、スミマセン(先に平謝り)

 確かにジャケのダニクレはデス顔で今にも暗殺業に勤しみそうな勢いですが、本作はただの歴史学者の役なんです……おまけにダビンチナントカのラングドン教授と同じくらい基本ヘタレなんです。死体を見て腰抜かしたりするダニクレが見られます(笑?) とてもじゃないがこんなデス顔で銃撃ちまくるキャラではねぇよ……誰だ、このジャケ写を選んだ奴はw 売るためとはいえ………。

 まあ、でも新・ボンド中毒の人にはそれだけでもオススメな出来ではありますが。

 ”アークエンジェル”は、ロシアの北方の町アルハンゲリスクの英語読み。原作はロバート・ハリスという人の「アルハンゲリスクの亡霊」という小説らしいです(未読) スターリン・ネタの小説といったら私の中ではグレン・ミードって人の「雪の狼」がなんといっても忘れがたいんですが、こちらもそのうち読まないとなー。

 スターリン研究家の歴史学者のケルソ(ダニクレ)は、モスクワでの講演会のあと、謎の政府機関の将校につきまとわれるうちにソ連時代にまつわるとんでもない陰謀に巻き込まれていってしまう。

 先程なんとなくラングドン教授の話を出しましたが、まさにソ連版歴史ミステリーという感じで、しかも真相が近づいてくるにつれてロシア人ならずとも少し”ぞっ”としてしまうようなリアル感があり、話的にも面白いです。ていうかこの話、今のプーチン・ロシアに当てはめるとマジでリアルすぎて……というか、もう似たような状況なんじゃないの?!などと深読みしてしまったり。

 途中で一緒に行動するようになるモスクワの娼婦とか、迷惑かえりみずな新聞記者とかがね、いいキャラなんですよ。とんでもないシチュエーションで繰り広げられるダニクレのダンスシーンも必見(笑) 映像もとてもドラマとは思えないクオリティーで、現代のモスクワやら図書館やら北方の森林地帯などの映像も見られてお得であります。

 007続編公開までのつなぎにも、どうぞ(笑)

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ロシアのすごい映画④

 今朝の大雨はなんだったんでしょうか………その中を必死こいて出勤しなければならない労働者ってほんとになんなんでしょうか…………(遠い目)

巨竜と魔王征服 巨竜と魔王征服

販売元:アイ・ヴィ・シー
発売日:2006/04/26

  ”すごい”という言葉は、この映画のためにある……(キャッチフレーズ風)

 パッケージはわりと普通に見えるが、みんな、(誰)騙されちゃいけない……!

 ソ連製ファンタジー屈指の超大作! いやほんとに、戦闘シーンはCG無しということを考えても某ペレンノール野の合戦シーンに匹敵する……! まさに、ロシア版ロードオブザリング(笑) それもそのはず、このシーンではソ連軍10万人が動員されているのだ……!(「戦争と平和」でとうにお馴染ですよね☆)

 主人公イリヤ・ムウロメツ……日本ではなぜかさし絵・手塚治虫、本文・筒井康隆という超絶コラボ本が講談社文庫(絶版)から地味に出ていたりする……中世ロシアの文化英雄ですな。だが、手塚氏の絵ではわりと美形だったイリヤは本作ではヒゲの巨漢中年に様がわりしている。

 中世風のコスチュームや建物の造形の数々、あからさまにワイヤーが見えるラスボスの巨竜などもさることながら、一番の見所は敵の蛮族カリン王の造形。彼は、宮廷でも戦地でも半裸の白人奴隷が支える人間玉座に座っている。変態王というと昨今では映画「300」のビジュアル系ペルシア王クセルクセスの動く舞台みたいな玉座が記憶に新しいが、カリン王の人間玉座乗りこなしっぷりには及ばん、及ばんよ……!(力説)
 監督はアレクサンドル・プトゥシコ……ロシアのハリーハウゼンと呼ばれるべきファンタジー職人で、他にも「石の花」とか素敵な総天然色カラー映画を撮っていた人なのですが、彼はこの「巨竜~」ばかりか「妖婆・死棺の呪い」製作にも関わっているのだ……。他にも「虹の世界のサトコ」(当時のヴェネチア国際映画祭で銀獅子賞を受賞している傑作)なども見ましたが、なんというか美的センスとロシアン・オリエンタリズムが融合しまくった迫力の映像という意味ではこの「巨竜」がダントツだと思われる。
 ああ、ウチが映画館なら「妖婆」と「巨竜」二本立てで謎の映画祭を開催しまくるのにーー!(やめろ……)

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ロシアのすごい映画③

 さて、これまでは「アンドレイ・ルブリョフ」、「イワン雷帝」、「戦争と平和」とわりと正統派のものをご紹介してきましたが、ここからはひとつ、別の意味ですごいロシア映画、いってみようじゃないですか……(むしろこっちが狙いだろオマエ……)

妖婆 死棺の呪い 妖婆 死棺の呪い

販売元:アイ・ヴィ・シー
発売日:2002/12/16

 (どうでもいいけど自分はいったい何枚アイ・ヴィ・シーのDVDを保有してるんだろ……)

 衝撃度では随一の邦題もさることながら、もうこれはロシア的なるもととして外せないでしょう! みてくださいこのスっとぼけながらも真摯なジャケを……! わたくし、映画「フロム・ダスク・ティル・ドーン」のジャケの次くらいにこれが好きですーー!(基準が分かりにくいよ)

 これはウクライナ生まれの文豪、ニコライ・ゴーゴリがロシアの妖怪譚に材を取った短編小説「ヴィー」の映画化です。ヴィーというのはまぶたが目の上に垂れ下がったブヨブヨした怪物なのですが、そいつがまぶたを上げて睨みつけると睨まれた人は死んでしまいます。

 片田舎のテキトーな神学生ホマーは、故郷に帰る途中、とある立ち寄った小屋で謎の妖婆に言い寄られます。

 妖婆はホマーに突如馬乗りになり、なんと、ホウキを振り振り飛翔しはじめます。婆さんは、魔女だったのです。

 必死に抵抗するホマーは、婆さんもろとも地面に墜落。無我夢中でぶったたくホマー……すると、婆さんはかわいらしく「あ~れ~」と叫んだかと思うと。

 見たこともないほど美しい乙女に姿を変えて、死んでしまいました。

 ……ふつうは乙女→老婆がセオリーでは………(あ然)

 ホマーはほうほうの体で逃げ出しますが、お寺に帰るやいなや、別の嫌な感じの用事を言いつけられ、しぶしぶ出掛けていきます。が、そこではさらなる恐ろしい呪いが待ち受けているのです。死んだ謎の乙女、そして死棺のアタック攻撃が!!

 ……ダメだ、怖く解説しようと思っても出来ない(笑)

 それもそのはず、この映画はゴーゴリの原作を極めて忠実に再現しています。なんというか、小説にもただようなんとものほほんとした田舎の空気を。いやこれはなかなか出来ることじゃないですよ。従来のキリスト教信仰と地元の(笑)妖怪世界が見事に融合した傑作!!です!

 ……つーか、観てニヤニヤするのが正しい鑑賞法か?!

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ロシアのすごい映画②

 五月病もまっさかりなうえに天気悪くてどうかと思いますね……。そんな時はカイシャをばっくれて家でロシア映画を楽しもう♪(→無理があるから)

 

戦争と平和 戦争と平和

セルゲイ・ボンダルチュク監督

1965-67年 ソ連映画

 いやー、これね。これはスゴイですよほんと。全4部作、424分。どんだけだー。うち、ディスク3はほぼ全部戦闘シーン!!! 冷戦下にも関わらず1968年アカデミー外国語映画賞受賞。

 原作はロシアの文豪レフ・トルストイの「戦争と平和」。

 ナポレオン軍のロシア侵攻を背景に描かれる軍人アンドレイ、基本ヘタレのピエール、お嬢様ナターシャの三人の男女、そしてロシアの運命。なにしろ、このナポレオン軍との戦闘シーンがすさまじい。それもそのはず、当時のソ連軍総動員で撮影された史上空前の規模なのですから。監督のセルゲイ・ボルダンチュクは主演も兼ねていて、ピエールを演じています。

 モスクワ炎上の場面では、CGなんかない時代の映画ですから、セットにぶっつけ本番で本当に火をつけて回るスタッフの勇姿などもメイキングで確認できます。

 ”戦争”と”平和”。この長大な異国のドラマが訴えているのは”青春”や”人生の素晴らしさ”です。失意のピエールが帰り道に見上げる星空。ナターシャが迷い込む舞踏会の絢爛たる輝き。まっすぐに立つ白樺の木。戦場で、自分に致命傷を与える爆風を受けたアンドレイは死の風の中で自分のいのちと世界の広がりを感じます。

 私は原作未読なのですが、相当、原作に忠実にあれと気を使って作られたんだろうなとひしひしと感じます。

 ところで「戦争と平和」は実はアメリカでも1956年にオードリー・ヘップバーン主演(ナターシャ役)で映画化されておりまして。

戦争と平和   

 こちらは3時間。普通に考えれば超大作なのですが、ソ連版に比べるとまるでダイジェストです。ですが、実はこちらの方が先行作品なのですよね。したがってボルダンチュク監督がこれを意識しなかったとは考えられないのです。叩き台あってのソ連版といえるかも知れません。 

 こちらの映画もなかなか良い出来です。みんな問答無用で英語しゃべってるけど。424分も見てられっかーー!という向きには(笑)こちらをオススメします。ただし、やはりナポレオン戦争のシーンは正直言って比べ物にならないどころか貧弱でございます(でも、その後のモスクワ炎上のシークエンスは結構良い)

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ロシアのすごい映画①

 ネタも尽きてきたので(もう?)、あんまり世の中で話題にされることのないマイナーなロシア映画について、自分が観てきた範囲で思うままに紹介していってみようということで。まあ私もまだまだ観てないんですが(汗)

 とりあえず記念すべき第一回はコレしかない。(あ、この前もう「アンドレイ・ルブリョフ」やったか…)

 

イワン雷帝 イワン雷帝

セルゲイ・M・エイゼンシュテイン監督

 1946年製作のこの映画は時代の諸事情と監督の死によって未完に終わり、後年ようやく完成していた第一部と第二部が公開されたという、文字通り苦難に満ちた作品(ホントは第三部もあるはずだった)

 中世ロシアで一番有名だと思われる暴君・イワン雷帝の愛と陰謀と粛清の日々!!

 はじめてレンタルして見たときはあまりの暗黒展開や、親衛隊のカッコよさ、ポーランド王の玉座への想像を絶する座り方といったものに目を奪われ、モノクロから突然カラーになる最後の大宴会シーンに度肝を抜かれ、畏れおののいた記憶があります。なんか思想的にイケナイものを見てしまったかのような感覚は、特に第一部に漂うソ連的プロパガンダ臭のためだったかも知れません。あ、DVDのジャケはカラーですがほとんど暗~い感じですから……。

 で、そのあとしばらく放置して、なぜか再見したくなり、購入……(遠い目) 

 なぜか、何回観ても見きれないような感じが付きまとう映画でして。ものすごく大きい絵を双眼鏡で見ているようなもどかしさ、というか。

 そう、わたしゃ分かっていなかった。監督がこの映画の全ての場面に込めたこだわりと理論の比類のなさを。それが証拠に、ネットで買ったパンフレットを後日読んで、衝撃を受けたのなんの。

 映画の中に、イワン雷帝を裏切るクルプスキー公という腹心の軍司令官が出てきます。クルプスキー公はイワンがいる限り、自分がずっと”二番手”に甘んじなくてはならないことにどんどんジレンマを感じていく……そういう役どころなのですが。

 他国への遠征におもむく場面。雷帝は太陽の紋章入りの鎧を着ています。対して、軍司令官クルプスキーは月の紋章入りの鎧。

 太陽に照らされてることでしか光輝かない月、そういう意味が籠められているというのですよ。

 別に鎧が長々と映されるわけでもなく、めまぐるしい戦闘シーンですから、普通に見ていてもそんな象徴に気がつく観客は皆無でしょう。でもこの監督は仕込んでいるんですよ、どんな画面、カットにも無駄がない。だからこそ、映画史の教科書にも載るわけです。サウンドトラックはセルゲイ・プロコフィエフ。これまた、ロシアを代表する大作曲家です。

 映画として、この映画はまさしく芸術の域に達しているものの一つに間違いありません。というか、まあ難しい話は抜きにしてもうこういう営利抜きの狂おしいまでの画というか、情熱というか、執念を感じることの出来る映画って、もう作られないんじゃないでしょうか。近年、個人的にそういうのを少しでも感じたのは映画「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズの画面製作くらいですかねえ……(ロードが営利抜きとは言わないが)

 エイゼンシュテインの中世ロシアものには他にも「アレクサンドル・ネフスキー」というものがありますが、すさまじいまでの凝りっぷりと重苦しいまでの中世の雰囲気が感じられるのは、やはり「イワン雷帝」の方ですね。

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モンゴル時代のロシア。 

アンドレイ・ルブリョフ(DVD) ◆20%OFF!

映画「アンドレイ・ルブリョフ」(1967年ソ連) 監督はアンドレイ・タルコフスキー。

 中世ロシアを代表するイコン画家、アンドレイ・ルブリョフの半生を描いた映画であると同時に、人はなぜ美を求めるのか、この荒れ果てた世に芸術なんて必要なのか、そういったことまで考えさせられる傑作。こういうのもなんだけど、ラストにはもう自然と涙が出てくるような映画。

 で、ルブリョフが活躍していた15世紀のロシアは、まさにモンゴル帝国の支配下にあって、モンゴル人のハーンにロシアの諸公は貢納と忠誠を余儀なくされ、内輪で争い、民衆はもう飢えと戦乱で息も絶え絶えという時代なんですな。 

 そして先日「MONGOL」を観てから、どうも、なんかどこかでロシアVSモンゴルの映像を見たことがあるよな……。と考えていて、思い出したんですよ。この「アンドレイ・ルブリョフ」のDVD特典映像だ!と(笑) あわてて、引っ張り出して見ましたよ。

 つーかコレの特典映像ななんというかタダものじゃないですよ。映画「イワン雷帝」の一部やら、ソ連時代の謎のプロパガンダ映像とか謎の祭りのドキュメンタリーやらがなんの説明もなく無造作にわんさかと……(笑)  「恐ろしいモンゴル人の支配と、いかにしてそこからロシアが抜け出したか」の映像も、見直してみて、なるほどねえ……と。当時、ロシア諸公はわざわざ年に一回かどうか未確認ですが、はるばるハーンのゲル(天幕)にまで出掛けていかねばならなかったんですな……。

 ただ、モンゴルの統治は宗教の自由を認めていた(ここではロシア正教)というのが大きいですね。結局、のちにロシアがモンゴル人の支配をはねつけられたのも、ロシア正教の寺院やイコンが健在で、拠り所があったからに他ならず。

 しかしこの映画「アンドレイ・ルブリョフ」も宗教禁止なソ連時代には上映禁止を食らったりしていたみたいで、なおさら、迷いながらも強く決意してくルブリョフのキャラクターには監督の強い思いが感じられるわけですよ。

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